先日は、お忙しい中、実際の現場を見学させていただきありがとうございました。

たった2日間でしたが、とても多くのことを学んだ気がして、満足しています。

 

さて改めて、いくつかの観点から今回の実習を振り返ってみてお返しとさせていただきます。

 

1.自分が抱いていた開業医のイメージと実際との相違

僕が開業医(だけでなく病院でもそうですが)に抱いていたネガティブなイメージは、

A)一人あたりの診療時間が短いこと。

B)やたらと検査をして、保険点数を稼ぐ、

C)患者さんへの態度が偉そう

D)医者としての能力そのものに問題がある

E)最新の治療に疎い

などがありました。

今回の実習でこれらの偏見がとれました。

 

A)について、確かに一日100人程の患者さんと接するため、一人あたりにかける時間は短くなりますが、僕の見る限り、それほど短いと感じませんでした。その理由は、患者さんととても親しく会話をすることで、相手に安心感を与え、医者に来た目的を達成したような気にさせているからでしょう。もちろん、医者として必要な情報は的確にとっていることが前提ですが、その点でも必要十分であったような気がします。

B)について、検査はほとんどなかったです。大学病院では考えられないことで僕はびっくりしました。しかし、より専門的なことは上の病院に任せばよいし経済的にも手間である、という点で納得のいくものだと感じました。保険点数を稼ぐというのは、悪医のすることですね。

C)について、偉そう、と貫禄があって患者さんに安心感を与えることができるのは、違うことですね。

D)について、これも悪医のことですね。

E)について、これは難しい面だと思います。病院にいるより、情報は入りにくいでしょう。医者として常に勉強する姿勢が大事だと感じました。

 

一方、ポジティブな点を挙げるとすると、

a)病院と違い、自分の医者のスタイルを維持しやすい

b)地域の患者さんととても近い関係をもつことができ、自分のやりがいを実感できやすい

c)ある程度、時間的に余裕がある、などです。

 

a)について、これはとても魅力的に感じました。病院という一つの組織の駒として働くのと異なり、開業医は自分のやりたい医療を実践しやすいと思いました。もちろん、これは自分が正しい理念を持っていないとだめですね。それは患者さんに試されるでしょう。もしだめな医者だと患者さんは集まりません。そういうわけで1人でやっていくことの厳しさも伴っていることを分かっておかないとダメですね。

b)について、これも魅力的なところです。これが最も大事かと思います。これからは家庭医になる医者は増えるような気がしますが、今の専門分化された医療への疑問もこの点にあろうと思います。

c)について、お昼の時間帯は、確かに何しようって感じですが、自分の興味に応じてなんにでも使っていけるだろうし、たぶん医者になれば勝手に埋まっていくものだろう。

 

2.木戸先生についての感想

ポジティブな感想

ア)しっかりした医療を実践しているし、考え方も共感できる

イ)話し好き

ウ)歩んできた道のりがかなり偉い

 

ア)について、ホームページを読んで、信頼できると思ったので今回見学を希望しました。そのとおりで、患者さんからもいい評価を得ているし、開業医→大病院→開業医の流れを広めようとする姿勢は、共感できました。

イ)について、話が流れるように進むので、聞いていてしっくりきます。大学での講義のための内容を水曜、聴かせていただきました。とても興味深い内容で、アメリカ万歳のイメージから少し目がさめた感じです。欲を言えば、先生の出会ったアメリカの学生あるいは医者の抱えている不安とか自分達への批判とかを盛り込んでいただくともっとリアリティーがあるかと思いました。

ウ)について、これも今回見学した理由の一つです。自分の向学心の一助になりました。

 

ネガティブな感想が特に浮かばないので、質問をします。

外来に子供がたくさんきましたが、今小児科の救急をみれるところが少ないと聞きます。先生のところにかかっている子供さんは、救急でみてもらえる病院はあるのでしょうか。開業医の役割として、自分のところで診ている患者さんへの救急のときの対応を教えておくことも必要かと思いますが、どうでしょうか。

 

最後に、自分が進路を決定するのにあと半年ぐらいあると思います。すごいナーバスになるときもありますが、なんとかなるといいなと思います。またお世話になることがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。

今回はどうもありがとうございました。

4回生男子